Clammbon伊藤大助さんのドラムレッスンを受けた話

●はじめに

私は大学生からClammbonを聴き始めたのだが、すっかりドラムの伊藤さんのプレイに引き込まれていた。当初聴いていたのは「まちわび まちさび」というアルバムで、とにかくフレーズがおしゃれ。特に「月食」のドラムが好きで、最初から最後までワクワクする音が詰め込まれていて、いつかこのドラムを叩きたいと思っていた。そういえば、そもそもわたしの名前もこのアルバム曲「EPIC」から取っているくらいである。

近年は演奏プロジェクトも水面下で始動し、スキマ時間で練習をしていたところ、伊藤さんがYoutubeでドラム相談室を開設されるビッグニュースが流れてきた。

内容もYoutubeでよくあるような「この叩き方が正解!」というものではなく、リスナーからの相談や質問に対して丁寧に説明したり、伊藤さんのアプローチを言語化しながら説明するスタンスで、とても聴きやすい。わたしもキックの質問をさせていただいて動画にしていただくなど、コピーしている側として「最高の教材」が提供されていた。

そんな伊藤さんが「個人レッスン」を都内で実施するということで、勇気を出して申し込んでみた。今までの人生で「自分がコピーしている曲で『ここが難しいんです』ということを、実際に叩いている人から直接教えてもらえる」っていうことがあり得ないので、ちょっとまだ現実感がないが、レポしてみたいと思う。

●申し込みとレッスンスタンス

レッスンは公式LINEで申込みができる。その際に、相談したい内容や、あらかじめ困っていることなどを具体的に伝えることができた。私は純粋にClammbonの曲で具体的なフレーズに躓いていたので、それについての質問や、自宅での練習方法についてなど、相談したいことを事前に伝えることができた。

これを事前に伝えて、スムーズにレッスンに入れるということは非常にありがたく、限られた時間で多くの事を教わる貴重な時間を過ごせたと思う。

伊藤さんの人柄について、ライブを見たり映像を見るなかでのクールな印象があったのだけれども、それと裏腹(いやクールです!)に、非常に柔らかい語り口で話していただき、双方向で相談できるスタンス。事前に伝えていた相談内容もしっかり把握していただいたうえでスムーズにレッスンしていただいた。

●レッスンの印象に残ったこと

一般的なドラムレッスンにも行ったこともあるのだが、今回の伊藤さんのレッスンからは、このような印象を受けた

  • 初心者のプレイも受け止めてくれる、支持的なレッスン
  • 今のプレイスタイルを否定しない
  • そのうえで様々な方法の提示
  • 体の使い方、音量の稼ぎ方などを踏まえた理論的な説明
  • カウンセリングに近い相談者中心のアプローチ

現場では最前線でのプレイをこなし、専門学校ではレベルの高い学生を相手に教えていると思うのだが、私のような初学者にも目線をしっかり合わせてじっくり話を聞いてもらえるレッスンって、かなり珍しいのではないかと感じた。ゆったりとした時間が本当に嬉しかった・・!

それと非常に嬉しかったのが、60分のレッスン内容を録音していただき音源化、さらにその内容をPDFで文字に起こしてサマライズしてくださったこと。これが本当にありがたくて。というのも私からしたら憧れのドラマーさんなので一生懸命聴いてはいたものの、相当に緊張していたので「伊藤さんから教わった!」という体験が大きく、教わった詳細を頭からふっとばしてしまったところもあったので、その内容を音声と文字で振り返ることができるのは、とても有り難い(ほかでこういうレッスンをしているところがあるのか・・?)ことだった。

今後はオンラインレッスンを試行的におこなうとのこと。対面レッスンで教わった内容をしっかり練習しつつ、また詰まったときにオンラインでも相談できるという最高の環境があるということ自体が自分的に安心できる感じがある。

●最後に

学生の頃「月食」を聴きながら、いつかこのドラムを叩けるようになりたいと思っていた自分に「伊藤さんから直接教わってるぞ」と教えて椅子から転げ落ちてもらいたいです笑
伊藤さん、この度は本当にありがとうございました。課題曲、必ず成功させたいと思います!

※2004年、2015年に書いていただいたサインと共に

「花束を投げた日に」に寄せて

「花束を投げた日に」に寄せて

ちょっと時間が経ってしまいましたが、2026年3月に「花束を投げた日に」をリリースしました。

曲について

今回は初めて季節感のあるテーマに挑戦し、卒業ソングになりました。リリカルなピアノで桜が散っていくような雰囲気を作りたかったのですが、これは松任谷由実さんの「春よ、来い」への完全なるオマージュです。その雰囲気に自分の曲調を混ぜたらどうなるかという、いわば実験作でした。

作ってみて改めて感じたのは…やっぱり曲調やサウンドが2000年代寄りになるということ。つくづく自分にはそういう手癖があるんだな、と痛感しました。ここ数年はその曲調から一生懸命離れようとしていたのですが、今回を経て「無理に離れなくてもいいのかもな」と思うようになりました。個人的には、イントロのバーン!というところや、クランチギターの荒々しい感じなど、やりたいことはだいたい形にできたと思っています。

MVについて

イラストははじさんにお願いしたところ、まさかの曲をテーマにした漫画を作っていただきました…!これには大変恐縮しつつ、どう一つの作品に仕上げようか考えていたところ、YouTubeで流れてきた「音MAD」の描写があまりにも美しく、「これを……作ってみるか……」と(無謀にも)思い立ち、約1年かけて制作しました。

意識したのは「光と影」と「わずかな揺れと動き」です。「光と影」については、遠い昔に耳にした「コンポジション・撮影」という言葉を、当時はしっかり理解しきれていなかったのですが、今回(初心者なりに)ようやく向き合うことになりました。映像半人前の私が、この漫画をどう仕上げていくべきか、リファレンスを何度も見返しながら試行錯誤を重ねました。

髪の毛などの揺れについては、15カットほどあったと思いますが、まず揺らしたい髪の毛を3層ほどのレイヤーに分けて切り取り、各レイヤーの下地を塗り、揺れると欠けてしまう箇所を描き足す、という工程を踏みました(Procreateをやっていてよかったです)

1番サビの作業途中 カメラワークや髪揺れを狙って畏れ多くもProcreateで加筆修正をしていました

これをすべて終えてからMVを作成するという流れで、途中からは曲を作りたいのかMVを作りたいのかわからなくなりながらも、この曲を仕上げました。スマホの横画面だと髪の毛の揺れがわからないくらい絶妙に調整してあるので、できれば大きい画面で観ていただけると嬉しいです!

作業量が膨大だったため工程を細かく分けて💮をつけて管理しました

おわりに

そんなこんなで、ほぼ1年かけて作った曲です。2026年現時点での自分の最大出力で、8月になるまで振り返る余裕すらないくらい全力投球しました。世のボカロ曲を作る皆さんが月単位で曲を仕上げられるのを羨ましく思いつつ、自分にはそこまで高速で作れるセンスも体力もありません。ただ、このくらいの不器用さが自分なんだな、と今は前向きに感じています。

せっかくこれだけ全力投球した卒業ソングなので、毎年春になるたびに新曲のフリをして再掲するつもりです笑

最後に、素敵なイラストを描いていただいたはじさん、そして完成までにサポートいただいた皆さまに、心からの謝意を述べたいと思います。本当にありがとうございました!

追記:実は今作でかなり「今できる創作活動」をやりきった感がありまして、最近はサッカーや陸上、楽器を弾くなどのリアルな自分と向き合っているところです(非常にポジティブな気持ちで熱中しています)。無色透明祭4に参加するか迷いましたが、今はこれらにエネルギーを注いでいくことで、更なるアイデアとパワーで作曲ができるのではないかと思っています。そんな私ですが、これからも見守っていただけたら嬉しいです。

えぴっく