「このことを」に寄せて

2025年11月29日に新曲「このことを」をリリースしました。

無色透名祭3に投稿した曲です。今日はこの曲のことを少しだけ。

▲曲名について

この曲名ですが、インスピレーションは直島にある家プロジェクト「このことを(内藤礼氏)」から拝借しています。そのままの名前ではありますが、英題は「Being given」とのこと。私は「言えなかった言葉」がキーワードだったので「Untold」としてなんとか誤魔化しを効かせたつもりです。芸術作品の「このことを」には感銘を受けており、一人しか入れない空間で、光の加減や外の音などを聞きながら思いを馳せる作品です。直島にまた行きたいな・・・話が逸れたな・・・

▲コンセプトは明確だったが

曲をつくるたびに「とにかく編曲が下手だな」とつくづく感じます。自分らしい編曲ってなんだ・・って思いながら試行錯誤していたら、ギターやベースを録音する時間がなくなって「ええい!ままよ!」とギターのカッティングをリリースカットピアノに、ベースも思い切ってシンセベースにして「ボカロックです」と投稿したら「ドラムンベースじゃないか?」とニコニコ動画のコメントで突っ込まれました(ありがとうございます)

打ち込みっていうのはリテイクがなくて楽だな・・と思った反面、やっぱり過去曲と比べてしまうと「温かみが欲しいよな」と思いましたのと、最近聞いた星野源氏の「いきどまり」でボーカル・ピアノで一曲押し切るという思い切りの良さに頭をガーンとやられまして、やっぱりシンプルとアナログはいいな、と思い返した次第です。ていうかなにこれ・・白色音符のピアノとボーカルだけだよ・・

▲イラスト〜MV作成とAIの進化について

イラストについては今年からSNSでも時々投稿をしていましたが、でかい無機物に鏡音リンさんを座らせるような構図が好きで、それが比較的見ていただいておりました。ありがたいことです。

ここ数年は、草壁さんやはじめさんの素敵なイラストに飾られてきましたが、何年かに一度は自身のベストでどれだけ行けるか試さないとな、とも思い自身のイラストでMVに挑戦してみました。

時間と余裕があればもう少し行けたか・・・とも思いましたが、丁度アニメーションとかイラストを作っている最中にSNSでめっちゃキャラクタが動くAIサービスとかが台頭してきて、この流れに手作業で追随していくのは無理だな・・(白目)と思い、敢えてどシンプルな構図にしました。

作曲〜MVまで一気通貫で作業をするということはかなりエネルギーがいるのですが、そんな中にこういった時代の変化があって、言葉を選ばず言うと、非常に虚無ってしまったというのが正直なところです・・。いうなれば、APEXでちまちまランクしているところ、突然まったく別次元の強さのプレイヤー(暗喩)に無双されたような感触を得ました。

生成AIを利用するしない、共存していくなど様々な議論や選択肢があろうかと思います。少なくとも(この長文ブログをご覧のみなさんはお分かりのことと思いますが)わたしはこれまで「自分で全部作ってみたい」という願望でもって、これまでチマチマと積み木を積み上げてきました。自身のみで作った作品としては「マイナス200の世界」が一作目、「足音消える十字路で」を経て今回で三作目となります。

今年でようやく全プロセスの70%くらいが満足いく出来になってきたかな、というタイミングで、その修練を積まずとも120%のアウトプットを一瞬で出せる時代が突然来たということで、かなりの衝撃があったのは事実です。これまでの積み重ねが無意味だったとは思いませんが、わたしにとって非常に難しい時代に突入してしまったなと思います。

▲今後について

今の気持ちとしては、この動静を見守っていきつつ、逆に初心を見返すと言うか「このギターフレーズが弾けて楽しい」とか「この表情いい感じで描けたな」というような、もっと最初の頃に味わっていた楽しい気持ちとか、実際に楽器を手にとって何かをするとか、そういう手元にある感覚を大切にする時間をしっかりと取らないといけないな、と思ったところです。

ボカロPも非常に多くSNSも活発、ここらで自分の身の置き所というか、穏やかに作品を作り続けるにはどうあるべきか。あいにく私は作品を並べるスペースは早くはありませんし、このまま波にのっていっても早々に溺れそうなので、ここはちょっとだけ、波打ち際に座っていようかな、みたいな心持ちです。

一方で、これまで作品を地道に並べてきたことで、様々な素敵な御縁があったことも事実です。そういったこともしっかり噛み締めながら、今後の作品づくりを考えていきたいと思っています。

すみません、長々とつづってしまいました。

これからも頑張っていきます。ここまで読んでいただいてありがとうございました。